ANTCICADA|「地球料理」に加わった茨城のキノコたち
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ANTCICADA|「地球料理」に加わった茨城のキノコたち

東京の浅草橋は、問屋や工場などが集まった職人の街です。この街に2020年6月4日の(む⦅6⦆し⦅4⦆の日)にオープンした昆虫食レストラン「ANTCICADA」(アントシカダ)に、今年は多くの注目が集まりました。

アリ(ANT)とセミ(CICADA)を合わせた造語が店名になった「ANTCICADA」は、金曜と土曜は昆虫食をも取り込んだ「地球料理」をテーマにしたコース料理を、日曜はコオロギラーメンを提供する新しい形態のレストランです。

10月末の生産地ツアーに「ANTCICADA」からオーナーの篠原祐太さんと、シェフの白鳥翔太さん、醸造家の山口歩夢さんが参加してくださったところ、さっそく産地で出会った「七会きのこセンター」のキノコをコースに取り入れているということ。茨城の食材を使った秋のコース料理。いったいどんなものだったのでしょうか?

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肉も魚も野菜もキノコも虫も。みんな同じ地球の食材

ANTCICADAのコースは、おまかせコース1種類(6400円、む⦅6⦆し⦅4⦆のコース)のみです。そこに料理に合わせた飲み物、アルコールかノンアルコールを選ぶスタイルです。

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それでは、さっそく全9皿からなる地球料理のスタートです!!

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ようこそ~スナック

コオロギを砕いて片栗粉とあわせて揚げたコオロギチップスでスタート。チップスに振ってあるのは、コリアンダー、チポトレ(南米のトウガラシ)、発酵させたマッシュルームのパウダーです。

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夕涼み~穴子、ざざむし、ズッキーニ

2皿目は、2時間蒸した穴子とズッキーニの料理です。濃厚なバターソースには「ざざむし」という、清流に棲む虫が出汁として使われています。

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コオロギ醤油のあそび方~シロカジキ、コオロギ醤油

岩手県の石巻から届いたシロカジキと卵黄を、スポイトに入ったコオロギ醤油を垂らしていただきます。

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秋~かぼちゃ、蜂の子、小麦、パセリ

きれいな色のスープはカボチャのほっこりとしたおいしさをまるごと閉じ込めたような安定感あるおいしさ。カボチャの種がアクセントになっています。千葉県鴨川市の苗目の色鮮やかなハーブを混ぜながら食べます。

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途中で蜂の子の赤ワイン漬けを味変でトッピングしていきます。

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セミの気持ち

ANTCICADAのシグニチャーディッシュの登場です。特注の容器には4カ所穴が開いていて、その穴にストローを突き刺して中の液体を飲みます。セミが樹液を吸う習性を疑似的に体験します。

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付け合わせで出てきた、甘酸っぱく味付けしたアブラゼミの幼虫の燻製を味変で加えながらスープをいただきます。

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憧れのメキシコ~きのこ、イナゴ、モレ・ネグロ

コオロギのパウダーが練り込んだタコス生地の上にのっているのは、生産地ツアーで訪れた城里町の「七会きのこセンター」のマイタケやシイタケ、ハナビラタケといったキノコたちです。その上にイナゴの赤ワインビネガー漬けがのっています。茨城県のキノコをたっぷり味わえるひと品です。

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野性~鹿、イナゴ醤、タンポポ、モミの新芽

メイン料理は、長崎県対馬から届いたニホンジカを木の枝を差してBBQのようにして食べます。イナゴの発酵醤を使ったソースでいただきます。

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これまでとこれから~コオロギ、ブナハリタケ

コオロギラーメンも出てきます。2種類のコオロギからとった出汁と、前述のコオロギ醤油、コオロギ麺、そして、コオロギの香りを移したコオロギオイルも使っていて、まさにコオロギ尽くしのラーメンです。

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タルト~洋梨、蚕の糞、金木犀

デザートは、洋梨と金木犀のタルトです。蚕の糞とマスカルポーネのクリームをたっぷり塗って食べます。桑の葉しか食べいない蚕の糞の香りは、100%桑の葉。マスカルポーネと合わせることで抹茶クリームのように和のイメージが加わっています。

昆虫食よりももっと大きな「地球料理」

昆虫食なんて、無理!」なんて思っていた方も、「ANTCICADA」のコース料理を見ると、「あれ?イメージと違う」と思う方もいるのではないでしょうか?

そこには、バラエティ番組の罰ゲームにある虫の姿のまま食べるような「ゲテモノ喰い」のイメージはまったくありません。旬の魚やジビエ、キノコやスパイス、人間の知恵が詰まった発酵調味料といったものと同じ視点で「昆虫」が扱われています。

篠原さんの「虫は僕たちにとって特別な食材ではなくて、魚や野菜と同じ地球の食材なんです」という想いが、ANTCICADAの料理を「地球料理」と呼ぶ理由です。

春になったら霞ケ浦の漁船に乗りたい!

ANTCICADAチームで料理を担当している白鳥さんに、生産地ツアーの感想や茨城県食材の魅力について話を聞くことができました。

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――ANTCICADAの食材はなるべく東京近郊にしたいそうですが、どうしてですか?

白鳥さん

季節の変わり方が似ているというのは大事にしています。南北に長い日本では、桜前線が2カ月かけて縦断するように、日本全体でみたら春は長く見えます。だけど、自分たちが暮らしている場所で考えたら、桜は2週間で終わってしまうし、タケノコも2週間もすれば旬が過ぎてしまいます。

なので、僕たちは、そういう中で、暮らしている場所の季節を大事にしたいと思っているので、できるだけ食材は近い方がいいと思っています。

それと気軽に産地に行けるというのも重要です。今回のようにじっさいにお会いしたあと、食材を使わせてもらうわけですけど、そこからもずっとコミュニケーションは続くので、何かあったり、季節の変わり目にはお会いしにいったりできた方が、僕たちには合ってるんです。

――今回のコースの中のタコス料理で使っていた七会きのこセンターさんとはどんなコミュニケーションをとっているんでしょうか?

白鳥さん

それこそ、今日も中川(幸雄)さんと電話してたんですけど、今のコースのこととか、キノコの感想とか。もちろん雑談もしたりします。

僕たちのお店は、営業日が少ないから、注文できる量も大量にお願いできない申し訳ない立場なんですね。だから、ファックスとかメールで注文の方が、中川さんたちにとっても効率がいいのでしょうけど、毎週電話でお話しさせていただいた上で、注文をさせてもらえているのは、本当にありがたいです。

七会きのこセンターさんのキノコのなかで特に気に入った、マイタケとシメジは毎回量を決めて送っていただいているのですが、それ以外は中川さんたちのおまかせで入れてもらっています。

――おまかせで入れられる部分があると、多く採れて余ってしまったり、半端な量だったりするものも買うことができて、中川さんたちにとっても助かる部分もあると思います。

そうなればいいな、と思っています。僕たちの方からいろいろと無理を言っている部分もありますし、何よりコロナ禍で中川さんを含めて生産者さんは苦しいと思いますので、僕たちができることはわずかなんですけど、役に立てたらと思っています。

――タコスで使った以外に、七会きのこセンターのキノコを使いましたか?

白鳥さん

キノコの軸とか、使いきれなかったものは、キノコの発酵パウダーを作ってうま味調味料的にいろいろな料理に使ったりしています。なので、100%、捨てることなく使わせてもらっています!

――年内いっぱいは七会きのこセンターさんのキノコを使われる予定だそうですが、来年以降で使いたい茨城県の食材はあったりしますか?

白鳥さん

今は、生産地ツアーの際に「霞ヶ浦漁業協同組合」でお会いしたワカサギ・シラウオ漁師の伊藤一郎さんとやり取りさせていただいていて、5月くらいには産卵直前で殻がやわらかくなった手長海老ザリガニが獲れるそうなので、使わせてもらいたいとお話をしています。

あとは、クルメサヨリという希少なサヨリが霞ケ浦で獲れるそうなので、コースの中に組み込めたらと。先日試作用に送ってもらって素揚げして食べてみたら、味自体は淡白ですが、汽水湖らしいきれいな味でいろいろな料理で紹介できそうです。

ぜひ5月に行った際には、伊藤さんにお願いして、漁船に乗らせてもらって漁も体験したいです。

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――ぜひその時は取材もさせてくださいね。今日はありがとうございました。

ANTCICADA
東京都中央区日本橋馬喰町2-4-6
☎03-6881-0412
営業時間:コオロギラーメン 日曜日 11:00~21:00)
     コース料理 金・土曜日 19:00(一斉スタート、予約制)
定休日:月~木曜日

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編集後記

今回、ANTCICADAからは篠原さんと白鳥さん、山口さんの参加でしたが、今回参加できなかった関根賢人さんと富永裕美さんが無類の茨城推しであることが判明。ぜひANTCICADAチームでの来茨の企画ができたら、さらにおもしろいことが起きそう!?

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次回の更新は、12月30日(水)。初回のツアーで訪れた飯沼栗の物語を紹介いたします。

また「シェフと茨城」のアカウントのフォローも、ぜひお願いいたします!

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Supported by 茨城食彩提案会開催事業
Direction by Megumi Fujita
Edit & Text by Ichiro Erokumae
Photos by Ichiro Erokumae, Naoto Shimoda

【問い合わせ先】
茨城県営業戦略部東京渉外局県産品販売促進チーム
Tel:03-5492-5411(担当:澤幡・佐野)

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この街がすき

ありがとうございます🙌茨城もあなたがスキです❣️
実は“食材の宝庫“である茨城県。「シェフと茨城」では、茨城の食材とその作り手を、食材の目利き役であるシェフの皆さんとの取り組みを通してお伝えしていきます。シェフにとって本当の意味の“身近な生産地”に、茨城はなりたい。