ラチュレ|サステナブルなレストランであるために近くの食材を使いたい
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ラチュレ|サステナブルなレストランであるために近くの食材を使いたい

東京・渋谷の「ラチュレ」はジビエ料理が自慢のフランス料理店です。オーナーシェフ、室田拓人さんは、料理人でありながら狩猟免許を取得して自ら狩猟にでかけるほどで、シーズンになるとこだわりのジビエ料理が楽しめる名店として知られています。

2016年にオープンしてから1年3カ月で「ミシュランガイド東京」2018年版ミシュランで一つ星を獲得。2020年12月に発表された最新の2021年版では、4年連続で一つ星を獲得し続けただけでなく、この年新しく導入された評価「ミシュラン グリーンスター」にも選ばれています。

ミシュラン グリーンスター」とは、サステナブル(持続可能)な取り組みを献身的かつ革新的に行うレストランに対して贈られるもの。「ミシュランガイド東京」では、この年三つ星に昇格した「レフェルヴェソンス」など6店が選ばれ、そのうちの1店が室田さんのお店「ラチュレ」でした。

食材への敬意を皿の上に表現する料理人

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ラチュレは、ジビエ料理専門店のように思われるかもしれませんが、ふんだんに野菜も使いますし、魚料理もコースの中に2、3品入っています。

とくに魚に関しては、日本周辺の海洋資源の減少を止め、サステナブル・シーフードの実現を目指すシェフグループ「シェフズ・フォー・ザ・ブルー」の主要メンバーとして活動をするほど、海にも関わりをもっています。

ジビエにしても、魚にしても、肉にしても、室田さんは素材を大切にすること、そしてそれを育てる生産者さんと積極的に関わりを持ちながら料理することを大事にしています。

狩猟免許もサステナブル・シーフードも室田さんにとってはあくまで手段であり、「素材がなければ料理することはできない」という最大の敬意をもって料理をすることが目的なのです。そういった室田さんの姿勢こそが、「ミシュラン グリーンスター」に選ばれた最大の理由なのだと思います。

そんな東京のレストランの中でも大注目なラチュレで、茨城県の食材を使ってくださっています。2020年10月に開催した茨城県の生産地ツアーで訪れた、ひたちなか市の磯崎漁協の天然アワビやシラスを使ったメニューを取材してきました。

磯崎漁協のエゾアワビとシラスの料理

渋谷と表参道のちょうど中間、青山学院大学の正門から程近くにラチュレはあります。地下に続く階段を降りると、高級感がありながらも木のぬくもりを感じられる上質な空間が迎えてくれます。

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マトウダイのポワレ
磯崎漁協のシラスでとったエスカルゴバター

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マトウダイのポワレに、パセリの香りを移した焦がしエスカルゴバターのソースです。あれ、どこにも磯崎漁協のシラスの姿が見えません(笑)。

なんとシラスは、贅沢にもソースの出汁に使われています。普段は豊洲から仕入れ、とくに産地を決めてないといいますが、磯崎漁協のシラスは、大きく身がふわっとしてるのが特徴で、クリアな出汁がとれるといいます。

魚介の出汁(ヒュメ・ド・ポワソン)は、魚介の骨やアラなどからとるところをシラスを使うことで「日本人がイワシの煮干しから出汁をとるようなイメージ」をソースに加えているそうです。

たしかに、シラスがもつ独特の塩味が、フランス料理の王道的ソースにキリリと輪郭を与えていて、日本的なニュアンスを加えています。

ちなみに、出汁をとったシラスは旨味がまだ残っているので、まかないにしてスタッフでおいしく食べているそうです。

鮑のパイ包み焼き

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ラチュレではジビエはもちろん楽しみな食材なのですが、魚介のパイ包みも名物料理です。その中に、磯崎漁協の天然のエゾアワビが使われています。

アワビをやわらかく仕上げたい室田さんは、真空パックにして83~85℃でゆっくりと3時間火を入れていきます。ふわふわに蒸しあがったアワビは、ホタテのムースによって包まれ、アクセントに鹿の辛みの効いたチョリソーを敷いてからパイに包んで焼き上げます。

ソースは、トリュフと焦がしバターの豊かな芳香の贅沢。その中で、磯崎漁協のエゾアワビが主役として立派に活躍していました。

料理人がおいしい食材を探すことは当たり前

室田さん

出身地の千葉や、今回まわらせてもらった茨城など、できるだけ東京から近い場所の食材をできるだけ使いたいと思っています。見に行ける、関東の食材を多く取り入れていきたい。同じ値段で、同じような味の食材であれば、近くの産地の方が、輸送のコストや排気ガスなどの環境負荷もで軽減できると思うので、そういう基準で食材を選んでいます。

ひたちなか市磯崎漁協さんのアワビは、養殖の一口あわび(エゾアワビの小さいもの)を食べさせてもらいました。味そのものはとてもおいしかったのですが、レストランでは天然で大きいサイズの方が価値があるのですね。

エゾアワビは千葉の方ではほとんど獲れないので、磯崎漁協にもないと思いつつも「天然はありませんか?」と確認させてもらったんです。そうしたら「ありますよ」ということで、天然のエゾアワビもあることを知ったんです。エゾアワビの生息のほぼ南限なんじゃないですかね。

そういったことも含めてやっぱり、その場でコミュニケーションすることで、こちらが使いたいものも伝えられるのもいいですよね。料理人が産地に行くこと、料理人がおいしい食材を常に探すことは当たり前だと思っているので、また参加させていただきたいです。

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ラチュレ(LATURE)
東京都渋谷区渋谷2丁目2−2 青山ルカビルB1
☎03-6450-5297
営業時間:11:30~15:30、 17:30~22:00
※都の要請により営業時間を変更させて頂いております。
定休日:日曜(月に1度日曜営業致します)

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次回の更新は、1月20日(水)。湯浅一生シェフが、霞ケ浦のシラウオを使ったパスタを提供されているという情報を聞きつけましたので、取材にいってきます!

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Supported by 茨城食彩提案会開催事業
Direction by Megumi Fujita
Edit & Text by Ichiro Erokumae
Photos by Ichiro Erokumae, Naoto Shimoda

【問い合わせ先】
茨城県営業戦略部東京渉外局県産品販売促進チーム
Tel:03-5492-5411(担当:澤幡・佐野)

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この街がすき

ありがとうございます🙌茨城もあなたがスキです❣️
実は“食材の宝庫“である茨城県。「シェフと茨城」では、茨城の食材とその作り手を、食材の目利き役であるシェフの皆さんとの取り組みを通してお伝えしていきます。シェフにとって本当の意味の“身近な生産地”に、茨城はなりたい。