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プロローグ|食材の向こうに人がいる

茨城県にどんなイメージをお持ちですか?

水戸黄門様こと水戸藩主・徳川光圀公水戸納豆などは、よく知られていますよね。音楽好きならば、国営ひたち海浜公園で開かれる真夏のロックフェス「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」でご存じの方がいるかもしれません。

アウトドアのアクティビティが好きな方なら、筑波山霞ケ浦などに遊びに来られた方もいらっしゃることでしょう。

茨城県の食材の向こうにいる生産者を知ってもらいたい

しかし、意外と知られていないのが「食材の産地」としての茨城県の姿です。

じつは県土の3割が耕地である茨城県、東京都中央卸売市場での青果物の取扱高を見ると、2019年まで16年連続で日本一。首都圏の食卓を支える大きな存在となっています。

安定的な供給量や価格で評価されている茨城県ですが、それが“安くて美味しい”という印象になってしまっているのが悲しいところ……。そう、茨城県にだって、まだまだ知られていないオリジナリティあふれる生産者さんが育てた素晴らしい食材がたくさんあるんです!

「シェフと茨城」は、じつは“食材の宝庫”である茨城県の生産者さんの姿をたくさんの人に知ってもらい、たくさんの人たちにとっての特別な食材になるようなものを紹介していくことを目的にしたプロジェクトです。

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なぜ「シェフ」なのか?

「シェフと茨城」では、シェフやソムリエなど、食のプロに茨城県内の生産地を回りながら、生産地の環境や生産者さんのこだわりを見聞きしたうえで、生産者さんが育てた食材を味わってもらおうと思っています。

ではなぜ、食材の魅力を伝えるためにシェフの力が必要なのでしょうか?

なんといっても、食材の味に対する評価がとても厳しいことです。シェフには、良い食材を見抜く力があります。さらに、毎日さまざまな産地の食材に触れているので食材に対する経験が豊富。適切な調理をすることで食材の魅力をさらに引き出すことができます。

さらに、シェフたちに産地に入ってもらうことで、生産量が少なく市場には出まわらなかったり、市場では出会うことができない食材を発掘することができます。シェフの目に触れることで、これまで日の目を浴びなかったクオリティの高い食材や生産者にスポットライトが当たることになるはずです。

コロナで変わった食べる人たちの心

新型コロナウイルスの感染拡大によって、人々の心が少し変わりました。

2020年2月末から3月にかけて、イベントの開催中止や飲食店の営業自粛で食材が行き先をなくし、生産者が苦しんでいるというニュースが報道されたのを覚えていますでしょうか。

今まで当たり前に食べていた食材の向こうに、育てる人がいる――。コロナによってそのことに改めて気づいたときに、スーパーに並んだ食材にもどこか人の温もりを感じるようなったのは、私だけではないと思います。

食材には育てる人がいる。そういった当たり前の価値観が、これからの食卓に求められるようになるのではないでしょうか。

茨城県を“食のクリエーション多発地帯”にしたい

茨城県は首都圏から車なら常磐自動車道、電車ならJR常磐線やつくばエクスプレスで1時間から1時間半でさまざまな場所に着くことができ、日帰りでも十分に数カ所を回ることができます。日々の営業で忙しいシェフたちの限られた定休日でも、日帰りで産地を訪れ、生産者に会うことも可能です。

そうすると「今年の出来はどうだ」とか「雨が多かったから収穫時期が例年より遅い」、「こんな野菜がほしい」というように、日常的に生産者とシェフの間でコミュニケーションし、産地と食材を肌で感じることで、シェフたちの料理の表現の幅を広げることができるはずです。

私たちもレストランに行って、食材ができた背景や、シェフたちの食材に対する想いを聞きながら食事ができたら、きっと今まで以上に食事が豊かになるはずです。

そんな食の体験の実現を目指し、シェフと生産者が相互に刺激し合い、新たなクリエーションが茨城県のいたるとことで起きる。そんな未来を思い描きながら、私たちは「シェフと茨城」のプロジェクトを進めていきたいと思っています。

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「シェフと茨城」のコンテンツ

「シェフと茨城」では、こんなことをこれからやっていきたいと思っています。

①シェフを招いた茨城生産者ツアー
「シェフと茨城」では、東京を中心に活躍するシェフとともに産地ツアーを行い、シェフと生産者のマッチングを進めます。お連れするのは40歳以下のシェフたち。ちょうど茨城県内の産地でも世代交代が進んでおり、40歳前後の若手が現場で活躍をしています。

シェフと生産者のクリエーションを目指す「シェフと茨城」では、同世代だからこそ本音でディスカッションをして、この先の継続的な関係を築いてもらうことを望んでいるからです。

②「シェフと茨城」のnoteアカウントを開設
「シェフと茨城」のnoteでは、シェフを招いた茨城生産者ツアーとともに産地を取材。そこで得た情報を積極的に発信していきます。現在は、以下のような企画を考えています。
生産者ツアー 生産者ツアーの様子をレポート。シェフや生産者の意外な一面や、食事処なども注目です。
育てる人 県内の生産物と、それを育てる人のインタビュー記事です。食材だけでなく育てる人の人柄にも迫りたいと思っています。
料理する人 産地ツアーで出会った食材をさっそく使ったシェフの感想、使い方を紹介します。

③「シェフと育てる人、茨城」食事会
シェフと生産者を繋いだ食事会、これは絶対にやりたいことですが、希望だけで、まだ何も動けていませんが……泣。

遠くのものと同じように、近くのものにも価値がある

ウィズコロナ/アフターコロナの世界では、移動に制限が生まれたことで「距離」に対する価値観がかわってきました。

もちろん飛行機や新幹線に乗って海外や国内を旅したい気持ちは変わりませんが、生活する土地の近くを旅するような「マイクロツーリズム=ご近所旅行」にも新しい価値が見いだされています。

食材についても似たようなことが起きてくると思います。遠くから取り寄せて、貴重な食材を食べる歓びとともに、近所の食材を愛でながらいただく。

それは、首都圏で食材を扱っているシェフたちにも同じことがいえるかもしれません。遠くの稀少な食材を求めて特別な生産者を巡る旅をする一方で、日常のなかで生産者を巡って食材に触れるからこそ生まれるインスピレーションに価値が見いだされる。そして、持続的なコミュニケーションの向こうに、シェフにとって本当の意味の「身近な生産地」に、茨城県はなりたい

遠くの稀少な食材も、近くの食材も、分け隔てなく楽しめる価値観が生まれたら、日本の食文化はさらに豊かなものになっていくのではないでしょうか。

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次回の更新は、12月9日(水)の予定。第1回目の生産地ツアーの模様をレポートします!

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Supported by 茨城食彩提案会開催事業
Direction by Megumi Fujita
Edit & Text by Ichiro Erokumae
Photos by Naoto Shimoda

【問い合わせ先】
茨城県営業戦略部東京渉外局県産品販売促進チーム
Tel:03-5492-5411(担当:澤幡・佐野)



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